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欧米人に無神論と言うと、キチガイ扱いされる本当の理由

 

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  よく、欧米人に自分のことを無神論だと言うと、キチガイ扱いされるって聞いたことがありませんか?その理由として、「日本は宗教の影響が薄いけれど、欧米ではキリスト教の影響が強いからだ」なんてことが平気で言われます。

 しかし、欧米の人たちも、私たちと同じような近代的な教育を受けてきているはずです。近代的な教育というのは、非宗教的なものであるはず。それなのに、なぜ欧米人だけがそんな宗教キチにならなければならないのでしょうか。「欧米人はキリスト教キチだ」、というのは、「日本人は神風特攻野郎だ」というのと変わらない、安直なステレオタイプ化だと思います。

 では仮に、欧米人に自分のことを無神論と言うと、キチガイ扱いされるということが事実だとしたら、その本当の理由は何なのでしょうか。

 私は単に、日本人の言葉の使い方の間違いが誤解を生んでいるだけ、というのが大部分だと思います。

 そもそも、無神論って何でしょうか。

 無神論(atheist)というのは、「神様が存在しないことを信じること」です。神様が存在するかしないかなんて、普通はわかりようがないと思いませんか。それでもあえて神様が存在しないことを信じよう、という人たちが無神論なのです。こんなことを信じている人がいたら、欧米人でなくても、ヤバイ人、過激な思想を持つ人だと思うと思いませんか。私なら、「この人は、過去に神様の存在を否定せざるをえないような悲惨な出来事にあったのかな」と思ってしまいます。

 しかし、多くの日本人はこんな無神論の思想を持っていないはずです。むしろ「宗教なんて真剣に考えてこともない」とか、「神様が存在するかしないかなんてわからない」(agnostic)という人がほとんどではないでしょうか。そういう人たちが、無神論の正確な意味を知らないために、自分のことを無神論(atheist)と言ってしまう。その結果、欧米人にキチガイ扱いされる。真相は、そんなところではないでしょうか。